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SR500 フロントフォークオイル(1)

 久々に我SR500(96年モデル)のフォークオイルを交換しました。 実を言うと購入して2年目辺りにオイル交換し、距離にして1万キロぐらいで交換していました。実のところオイルシールは当初のまま、結構状態はいいと感じ ています。
 もう一点は20000km走行ぐらいでハイパープロのスプリングへ変更しました。その時のオイルはハイパープロ純正のオイルで、ダンパー関係は満足なの ですが、交換タームを頻繁にしなくては、そのダンピングの性能も発揮できないことが理解できました。
 同様に純正オイルに交換しても同じような結果になるのではないか、と感じられるところでした。
 しかしながら、リアショックもスプリングだけを交換するハイパープロ仕様なのですが、それでも、「ノーマルとは別次元」の走行性能を示したのでした。

 以来、こういった状態をキープしてきたのですが、今回ステアリングヘッドのベアリングにグリスを給油することになり、ついでにフォークオイルも交換して やろうと考えたところです。
 ステアリングヘッドの件は別項で記していますのでご一読を。



 2007年10月13日
 ステアリングヘッド周りのグリスアップと同時に、フロントフォークオイルを交換します。純正のオイル(多分カヤバ)とハイパープロのオイルを比べると、 そんなに変わらない。実のところ、もう少しノーズダイブを押さえて、なおかつ真っ直ぐに走るという単純なことから、今回はATFオイルを試してみようと思 いついたのです。
 早速、DAIKIへ出かけ、オイルと17mmの六角アダプターを購入して作業を開始しました。
 マジで、行きは善い善い帰りは怖いのたとえどおり、私の身体へ及ぼした結果は相当なものがありました。
 まずはフロントフェンダー、フロントホイールをはずしておきます。ブレーキシューなどのバラシは個々で違うため省きます。

  1. トップブリッジのサイドで締め付けているボルトを10mmのメガネレンチで緩めます。この時は下のボルトは緩めません。
  2. 17mmアダプターを使用して、フォークのトップキャップを少し緩めます。
  3. 下のボルトを緩めて下へ抜き去るとOK。両方のフォークをはすします。
 と外すのは比較的容易でしたが... 。

 いよいよフォークの内部からスプリングを取り出し、オイルをフォークトップから抜いて交換、と一連の作業を行います。
 ステアリングのグリスアップのところでも申しましたが、前後のバランシングスタンドとしている、SRのセンタースタンドは非常に有益です。これを取って サイドスタンドのみとすることは、私は大反対です。たとえ、レーシングスタンドを使用するにしても、フロンとホイール関係では用を為さないのではないか、 と考えます。

 17mmの六角アダプターをキャップボルトに入れ込み、レンチで解きます。最終段でスプリングが飛び出る可能性があるのはいずこも同じ。今のモデルでも 注意が必要です。
 スプリングを抜き去り、ほこりのつかないところへ寝かせておきます。私はいつも一月前までぐらいの古新聞紙を用いています。
 次にアウターとインナーをスライドさせながら、フォークオイルを抜いて、立てかけておきます。片方も同じように作業を済ませておきます。
 オイルが抜けるまでしばらく立てかけて置いてください。また、オイルが抜けきったかどうかは、スライドさせたときの音で、グチュグチュという音がすれば 残っていると判断すればいいと思います。
 写真の状態にしておけばいいのではないでしょうか。

 オイル量は以前購入したSRブックのとおり204ccのオイル量を注油しました。実はこの量は間違いだったことに後で気づくのですが、同時にこのことが 意外な結果を生むことになろうとは、この時点では感じていませんでした。

ここで一言
 今回、どうしてATFオイルをチョイスしたか、というと、これはハイパープロの純正オイルにかかわりがあります。ハイパープロのオイルは粘度が薄いので すが、結構ダンピングがいい。が、劣化も早い、という、セミレーシング的なオイルに感じていました。
 昔から重量オートバイに乗っていらっしゃる方にはご存知と思いますが、1960年後半辺りまではマシン油とスピンドル油を混合したものがフォークオイル として用いられました。
 ヤマハの小排気量車のうち、フロントフォーク方式で片方しかスプリングを入れていないモデルには、純正のギアオイル(10W30)が盛んに用いられまし た。
 TX-750がリリースされた頃から以降、フロントフォークオイルが専用粘度を持ったものに替わりました。ついにはGX750のII型がリリースされた 頃は、メーカーサイドで85W90程度の純正ハイポイドギアオイルまで出てきだしました。こういった点を考慮すると、ヤマハが純正オイル面では先端を行っ ていたのでは ないかとも思えるところです。
 が、私のSR500に純正のフォークオイルを使用していても、そのままの粘度だとどうもフニャフニャするのです。ハイパープロはタームが短い。こういっ た点から私はATFのほうが好適なのではないか、と感じたのです。
 今回はBPの半合成ATFを使用したところです。

 さて、いつものテストコースを走ります。走り始めてすぐに「これがあのSR500」と感じました。これまでの走りと少しばかり次元が違います。かといっ て異次元の走り方ではない。影を見ますと、フロントフォークは結構作動しています。振動は多く感じるものの不安要素ではありません。が、気分のいい振動で もありません。
 どうして、こういった感覚になるのか?。最初は全くわからなかったのです。
 フロントが位置を確定し、スッと行くとリアがそれに追従する。どこかで経験した走り方。路上の深い窪みや段差にも不安なく過ぎる。何だろうな、この走り 方...。
 三間街道を走り、5速からスピードを上げ始めたときでした。「この走りは XT500のそれだ!」。大排気量のスクランブラーXT500を平坦な舗装路で走らせていた時と非常に似通っていたのです。

 XT500は21インチのフロントホイールが方向を定めたら、そのラインに沿ってリアが補正追従する。このフィーリングに良く似ています。
 ハイパープロのスプリングはこういった味付けをしているのだな、ということが理解できました。が、似通っているものの若干違う。
 この違いはシャシーをはじめとした各部のアライメントなどがロードバイクのSRとオフロードバイクのXT500とでは違うのです。SR500でこうです から、おそらくSR400ではもっともっと変化が出るのではないか、と感じるところです。
 XT500との走りのポイントが違うのは、ことに21インチから19・18インチと小径化されたフロント周りの影響が大きいのではないかと感じました。

 さて、このままでよかったのか、というと、実際はそうではなかった、というのが正直なところです。しばらく走ると、フロンとフォークの作動が硬すぎると 感じるようになってくるのです。やはりオイル量か?と感じたためマニュアルを読み返すと、3GW、1JN辺りのフロントフォークは176ccではないです か。SR本は今のモデルを基準にしています。
 そこで、写真を見ると今のSRのフロントフォークのスプリングの巻きピッチの何と荒いこと。フロントにディスクを着けたことに対処するため、おそらくヤ マハはスプリングのバネレートを下げ、オイル量を増してダンピングの特性を調整した結果ではないか、と思います。
 我SRは写真でもお分かりのとおり、スプリング自体が全く違います。その上に多目のオイル量ですから...。
 が、待ってくださいよ。フロントフォークのインナーチューブはXT500もSRも同じ35mmです。その上に、204ccのオイル量でもポンポンフロン トが跳ねないのですから、単純に違いは21インチから19・18インチと小径化されたフロントホイールの差ではないか。
 ウ〜ム、次のような計算が成り立つのではないか、と考えたのです。

21-19=2inch 
 この2インチのホイールの直径の差。そして、作動方向に対しては1インチの差がヒッカカル点である、ということなんです。それにフォークオイルの量の差 が1JNと今のモデルとでは204-176=28となります。この数値も何かかかわりがあるようです。

 まずは1インチ≒2.54cmと考えると容積はフロントフォーク径は3.5cmですので3.5÷2=1.75となります。πを3.14として容積計算す ると1.75×1.75×3.14×1.75≒24.42ccとなります。
 すると単純に204-24.42=179.58ccとなり、ハイパープロのスプリングにATFなら180cc程度だな、と感じるのです。
 しかし、これはノーマルの1JNでも純正フォークオイルで176ccですから、そんなに量は変わらない。とすると、もっと単純な考えでもでもいいのか な?とも思います。
 先ほど、204-176=28という数値を出しました。例として19インチ時代のSRはどうだったのか。調べると、180cc以上になっています。
 それなら、その差の分14ccを加えるのはどうか?
 つまり、176+14=190ccとなります。先ほどの計算値は180ccでした。しからば、二つの中間を取って185ccとしてみるのがいいのではな いか、と思ったところです。








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