4インチスーパートラップの考察

 2001年3月の終わり頃、耳障りなやかましい音のスーパートラップに辟易して、掃除がてらバラしてみた。
 ご存知のように、スーパートラップの4サイクル用はインナーの消音材はセラミックウールが使用される。最近は少なくなったが、建築用の黄色いグラスウールでは、排気の熱によって成分が飛んでしまいウールそのものが痩せてしまうのである。意外に知られていないかもしれないが、この辺の素材は純正品を使用した方がいいようだ。
 さて、僕のSR500に装着しているのはホワイトブロスのスーパートラップエキゾーストシステムである。なかなか調子がよくって、すっかり気分を良くしていたのだが、あれこれ付帯のものを装着していく間に、どことなくおかしいものに変化し始めていたようで、今回分解したのを機に、あれこれ確認をしてレポートすることとした。
 オレンジブルバードが開発したメガトラップという後方排気にするエンドコーンを付けて、けっこう走っていたのだが、そのノイズに少しばかり閉口していた。後述するが、このやかましさがメガトラップのせいではない。
 とにかく、バラしたことから先に... 。  さて、やかましさの原因がどうしても突き止められない。以前使用していた3インチのユニバーサルスパトラを引き合いにして検討してみることとする。
 3インチのはいずれもエンドキャップにスパークアレスターのマトリクスがある。ディスクの間から出ない排気は、総じてセンターホールからエンドキャップに取り込まれる方式だ。(もちろん大部分は反転して終わりのディスク部分から出る)
 当然カーボンコレクトだから、この部分でカーボンを集めることになる。この方式で、アメリカの森林警備隊の認可もとっているわけだろう。もっと容量の大きいリゾネーターのエンドにも同じマトリクスがある。

 排気の方法は同じなんだが、4インチのアルミプレートは、それだけでエンドキャップの用を成していない。一つ前に穴なしのディフューザーディスクが1枚加わるのである。はずしてみると、この部分がいつも真っ黒になっている。
 僕の場合は8枚のディフューザーディスクだから、多くの場合、センターから出てくる排気はこのプレートにぶち当たるだけだ。共振はないものの、強大な排気はそこへ集中して当たるから、最終の2〜3枚のディフューザーディスクの汚れが大きい。どうやら、この辺がパンパンというやかましい音に影響しているのではないだろうか、と考えた。

 と、いうところで初心に戻って、今回はステンレスのエンドキャップを装着してみることにした。エンド自体は球形に凹みを付けたステンレス製で、強度も十分のようだ。3インチのエンドキャップ同様のマトリクスがある。そのものの確認のため、メガトラップは装着しない。

 装着期間が長いディスクを再使用するときは、元のポジションでフィットするように熱変形しているようなので、特にこの点を重要視する。できれば6枚入りのディスクパックをボルトとともに購入されて、取り替えられた方がいいかもしれない。
 旧タイプのディスクはボルト穴の大きさが小さくて、取り付けに苦労する。この部分を広げると、穴開けのバリがディスクの隙間をキープしているので、こいつが無くなる。最初期は位置決めの▲の窪みがディスクの周囲に数か所設けられていたのだが、現在ではこれが省略されている。
 この意味からもディスクを取り替えられた方がいいようだ。

 エンジンを始動してびっくりした。うるささが消えているのだ。ディスクの枚数も8枚だし取り付け方法もいっしょ。エンドキャップだけを交換しただけだ。
 走行してみるとフィーリングが軽い。いつもより走る。結局テストといいながら1時間、50km程度の山坂を含めたところで走行してみた。4000rpm付近の悶絶状態も出ない。
 とにかくびっくりしてしまった。

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