SUDCO MIKUNI セッティングの不思議(2)
/// 再開のプロローグ ///

 前回、松山氏のサゼッションを受けて、「なるほど」と感じ、早速手持ち の #190に変更して結構な結果を得ていました。これほど変わるとは思わなかった、というのが本当のところでしたが、もう少し何とかなるのかもしれな い、と策を練っていた面もあります。
 それは次のようなものです。

 松山氏のコメットが同じMIKUNI VMの30mmで、メインジェットが#260ということでした。パイロットは触っていない、とのことです。500ccシングルですからT-140Vは 750ccとしてツインですから半分は375ccです。
 コメットに対しては2/3程度としてメインジェットは#260×0.75=#195ということになります。この辺りの数値は中村トライアンフ(T- 140V)と同じような数値になります。
 もう一つの案は、これと同じように考えた上で、効率が良くないT-140Vのエンジンなので2/3程度とすると、#260×2÷3=#173、という数 字が出されます。
 こういったところから、#185、#180、#175、#170のメインジェットを用意し、まずは#180辺りから実験をしてみるかな~、と考えまし た。
 #180で全てが上手く行けばオンノジ。が、現実はそんなに甘くはありません。ともかく#180から実験をしてみることとします。

2006年11月16日
 発注しておいたメインジェットが届いたので、早速休暇をとって確認をすることとしました。少々の野暮用が入って、休暇が午後2時からとなり、概ねテスト 終了 時刻と陽が出ている時間との勝負になるため、テストコースは光満街道から鳥越峠を通って国道56号線へ抜けるショートコースとしました。
 当日は冬の様相を呈し、職場からは少々嫌な目で見られましたが、これからの季節を迎えるのにちょうど良いため、あえて、この日を選んだ、とした次第で す。(その翌日は晴天でした。)

 早速、現在の#190から#180へ変更します。本当に慣れたもので、ものの15分で交換です。パイロットスクリューの戻し回転は1回と3/4のプリ セット状態です。パイロットジェットは#32.5としております。
 いつものとおり、キック始動は2回でエンジンに火が入ります。気のせいか、いつもよりアクセルに対しての反応が速い気分がします。1分程度の暖気で、ク ラッチの貼りつきを解除しますが、いつもより回転を上げなくても、エンジンストールの気配がありません。これは何かを示しているのではないか...   、と感じました。暖気を3分程度行って、身支度を整えます。
 すでに、裏道走行は必要がありませんので、午後3時30分に出発します。若干、回転を上げ目にして半クラッチを多く使うのはいつものとおりです。ポンと クラッチが接続できないのは、レーシングキャブとしてでのこと、あきらめたほうがいいようにも感じます。(と、この時は考えていました。)
 走ってみますと、どこがどう、という変化は感じられないのですが、#190よりは明らかにガスが薄い状況です。2500回転〜3000回転付近での状況 がもたつきます。(ここを何とかしたいのですが... 。)
 ともかく、コースを回って、#190よりは良い結果として記憶しました。

 次はどうするか?。帰りの56号線で「思いっきり下げてやれ」と思いついて、#170に交換しました。エンジン始動して、なかなかイイ、と思いまし た。しかしながら、何となくですが、エンジン自体に潤いが無い感じが支配します。
 ことは光満街道で発生しました。バスッ、バスッ、バスといつものヤバイ症状が発生。点火プラグが逝ったと、すぐさまUターン。低回転(5速/2000回 転)で帰りました。
 アクセルを少しばかりあおっていったのですが、そのときにバスッ、バスッ、バスの症状が出たのです。この原因が何であるか?。
 もちろん、この突如点火プラグがおかしくなる症状は、ポイント点火のときにも起こっていたのも事実ですし、2サイクルのRD250でも起こっていまし た。
 このことは何らかの原因で、急激に大きい火が出た上に、点火プラグが煤け気味でカーボンリークが起きつつある 。こういったときに起こる現象ではないか、とまでは考えられるのですが、その第一の要因は未だに不明です。 
 帰って点火プラグを見ますと、左は狐色になりつつあるのですが、右は煤けている、という状態です。点火プラグをBP6ESに交換し、それじゃ〜、と今度 は一気に上げて#185にしました。

 #185にしての大きな変化はあまり感じられなかったのですが、強いて言うと、たっぷりしたトルクと、まだまだ伸びる回転がそれでした。が、その反作用 としてスタートしづらく低回転ではガスを多く必 要としているような,,,  、というもので、明らかに#190寄りの状態に感じました。
 では、次はどうするのか?。#170では少々薄いので#175か、とも考えましたが、この付近での5番の差はそう大きいものではない。#190から #180に落としたときとは、状況が少々違いすぎる。したがって再び#180でテストをすることとしました。

 少しずつ夜の帳が支配し始めます。メインジェットの交換の後、エアスクリューで調整をします。アイドリングを1200回転ほどへ上げます。
 これには理由があります。SUDCO MIKUNIの32mmVMキャブは状況が2サイクルの改造版のようになっています。そのため、レースのように3000回転がアイドリング、にまでは及び ませんが、900回転などへアイドリングの回転数をセットしていると、発進、シフトダウン時における各ギアへのシフトが少しばかりエンジンに負担がかかる ようでなりません。この 部分がアマルの方がセッティングが楽なのでしょう。セミレーシングキャブというところでの処置、としてアイドリングを上げたところです。

 アレ~、何かおかしいぞ。先ほどと違うのは何か?。点火プラグが新しいが、BP6ESで同じ熱価だし、しいて言うなら... 、が思いつかないのです。

 途中、アクセルをいつもよりあおってみたりしますが、なかなかいいのです。若干おかしいところは、各ギアで引っ張るとき2000回転付近でギクシャクす ることぐらいでしょうか。
 ともかく、最初に#190から#180へ変更したときとは大きく違うのにはまいりました。

中間考察
 意気揚々帰宅したのですが、いくつか改善の方向性を見出すことが出来ました。その一つがパイロットジェットです。
 本来、単体でのMIKUNI VM 32mmのキャブのジェットは、ニードル、ピストンともSUDCO MIKUNIのキットと同じです。が、単体はキットのメインジェットは同じ#200なのですが、パイロットジェットはキットの#30に対して#35なので す。
 私はその中間として#32.5をチョイスしました。もちろん、そのときにはメインジェットは#200であったわけですから、仮に#200のメインジェッ トなら#32.5でも行けたのかもしれません。その証拠に#190にしたときはなかなか良いぞ、と感じました。
 が、松山氏のサゼッションではパイロットジェットはノーマルのままですよ、とのことでしたから、この日の情況からすると、#32.5から再び#35にし た方がいいのではないか、と感じたのです。
 おそらく、パイロットジェットを#35に上げると、この2000回転付近でのギクシャク感が消えるのではないか、と考えました。

2006年11月18日(土)
 午後からの雨は確実なようなので、午前中にパイロットジェットを交換して、走行テストまでを終えるようにしたいと考え、午前8時半から作業に取りかかり ます。ジェットの交換を終えてエアフィルターを取り付けようとしたとき、問題が発生。何と例のパワーモジュールが当たるのです。今さら、容量の小さいエア フィルターへは交換したくありません。困りました。
 やむを得ず、アルミのステーを使用し、モジュールの取り付けを後ろ側へ移します。ところが、この作業ででも問題が発生。ナナ何とエーモンのサポート板と 点火コイルステーとが振動で共振し、ナットがわずかに緩んでいたのです。ま、今回は応急として、そのまま後ろへ移動させて取り付けを完了しました。



 もう一点、点火プラグをBP5ESへ一番熱価を落としました。西予市のT君も言っていましたが、電極突出タイプは熱価が低めと考えてもいいし、時による と早期点火も考えられる、ということと、W1の愛好者さんのページ「ドライサンプがくちをきく」のページにも詳しく報告があり、これを参考にさせていただ いたこと。そして、T-140Eのパーツカタログの中に記載があることを総合した結果からです。
 この件についての理由は後述します。

 パワーモジュールの取り付け変更が1時間もかかりましたので、午前10時前にセオリーどおりエンジンを始動しました。レレ〜、アイドリングが低くストー ル気味になって止まってしまいました。ヤバイと思いつつ、再始動。難なく始動しました。
 このことがあったので、裏道からスタートしました。これまでのところ申し分ありません。JT前から国道へ出ます。
 やはり低回転でのアクセルレスポンスが悪いことが存在しますが、総じて落ち込む現象は少なくなっています。メインジェットが効き始めるまでのちょっとし たモタツキはどうしようもない、と感じています。
 信号待ちでのグリップ操作でアイドリングを上げておく行為は少々いただけません。エンジンが暖まってもこの現象が消えませんから、もう少しアイドリング 回転数を上げ る必要がある、と考えながら、結構いい状態でショートコースを一周して帰ってきました。

 帰るやいなや、アイドリングの設定を行います。これまでは、1000回転より少し上、という状況でした。今回はストップスクリューを回して開店がスッと 上がるところから少し下げる位置を左右同じにすると、およそ1200回転で落ち着きましたので、この回転域をセットしました。
 再び走行をしますが、すでに空模様が怪しくなってきていましたので、城山を一周で終えましたが、最初の#180の時、パイロットジェットが#32.5の 時とは明らかに違うフィーリングになってきました。
 同時に、他の部分に不満が出始めてきました。ことにフロントブレーキを何とかしなければなりません。それに、リアサス、フロントフォークのサスペンショ ン関係をもう少しスムースな作動にしなければなりません。
 機関はまぁまぁでしたが、キャブレターは油面調整など、もうすこしきっちりしなければならないと思いました。
 
   


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