T-140Vその後

 2002年4月20日・21日の両日徳島県御所温泉へ英車の集いのミーティングにT-140Vで出かけた。大半は一般道を走行したのだが、出発前から少し気分として不安な面があったので、当日の参加者の意見を聞いて後日次のように実験を行った。

気になる症状から
 一番に気になるのは始動時だ。SUDCO MIKUNIのVM32φにキャブを変更し、ボイヤーのトランジスタ点火方式とダイナの同時点火コイルに交換されている僕のT-140Vは、通常のAMALキャブの場合と操作は若干異なる。
 そういったことを加味して、冷間時にはチョークを引いて、キーをオンにしてキックすればエンジンは始動する。わずかにアクセルを引いてキックすると一発で目覚める。直ちにチョークを戻し、アクセルをあおるとエンジンは途端にストールしてしまう。混合気が燃焼室の状況に対応するまでに時間がかかる。これは致し方ないところだ。
 クラッチの引っ付きを解除して多少長めのウォーミングアップの後スタートが可能になる。が、これまでは3000rpm辺りでクラッチミートがしづらい傾向が続いていた。
 一方では吸入側のエアの入り込む量によってはウォーミングアップの時間も変化するわけだから、このような細かい点でのMIKUNIキャブの特徴というか、エンジンにフィットしづらいというか、未解決事項が残ったままであった。
 点火プラグはキャブレターをどのように調整してもNGKの8番は燻る。6番は碍子の周りが燻り、スプリットファイアーのSF-405Dでまぁまぁ。したがって、中を採って7番にして好結果を得ていた。それ以来「プラグが死ぬ」というおかしな現象は一切起こっていない。プラグコードはスタンダードのゴム被覆のものに戻している。
 この状態でスタートして、そう10km程度まではどうもスムースではない。スムースさが戻ってきても、信号待ちで少しプレップするときはアイドリングからアクセル開度1/5程度まではグッグッググと回転の上がりがスムースではない。

 徳島への道でもこういった状態は変化することはなかった。ここから分かることは、まずは雨中にもかかわらずK&Nフィルターの防水防塵性能は十分に発揮されていたように思う。グッグッググと回転が上がるのは晴天時でも感じていたので、水分が混入したものとは思えない。
 点火系統はほぼ完全だ。しからば吸入はどうなんだろう。

 こういった状況で7番の点火プラグがわずかに白い状態であった。再度申し上げるが、この状態でプラグを8番に引き上げると完全に燻る。そういったクリティカルな面も含んでいるのも事実だし、大半のセッティングは取れている、と感じていた。
 語弊があっては困るので、僕のT-140Vの吸入点火系では若干濃いめの状況での焼け方とする「狸色」にはどのように頑張ってもならない。

 ここまで来るとメインジェットの引きあげぐらいしか思いつかない。まずは#250に上げてテストする。

 走行してみるといつもどおりの状態から、わずかだが改善に向かう。特に急坂でのカリカリ音が減少する。もう少し上げてもいい、という気分になる。次に手持ちの最大番手#260に上げてみる。そんなに変化しない。今度はキャブレターの性格がモロに出て、少しばかりの変化は体制に影響ない、という素振りを見せているかのようだ。
 一定、安定度は増したようなので、このまま#260で様子を見ることとする。
 

2002年4月27日(土)
 オリエンテーリング協会の理事会へ出席のため松山へT-140Vで出かける。この日はバスも列車も満員の予想が入っているので、オートバイでないと動きが取れない。
 帰路、南海部品でメインジェットを探すが、#275しか在庫がないため、これを購入。ミクニの純正ではない。#260装着で一般道でのフィーリングをつかみながらの帰路であった。
 往路はあまり感じなかったが、犬寄峠、鳥坂峠を5速のままで力強く登る。メインジェットをわずか#240から#20上げただけだがなかなかのフィーリングだ。もしかして... 、と、購入した#275に換えたときの期待が高まる。
 夕刻、エンジンが冷めるのを待って#260から#275に換装。わずかに10分の作業だ。ただちにエンジン始動。いつものテストコースを走らせる。多少リッチな面が効いてかしら、ライディングが楽になったように感じる。
 スタートして間もなく、吸入音が多少大きくなった感じがし始める。15kmも走っただろうか、アクセル開度がいつものスピード・回転数に対して小さいことに気付く。トルク感がググっとアップした感じになる。人間欲が出るもので、これまでのセッティング作業が間違っていないことに自己満足。そして#280に引き上げてみると... 、という邪心が支配する。
 が、帰宅途中、永井モータースのK君にプラグの状態を見せると、このままでテストした方がいい!といわれる。間髪を入れず、#280にしてみるとどうだろう、というと、最近のプラグの焼け方は色での判断が難しいから、このままの方がいいんじゃないの、と僕の目論見を否定した。わずか#5の違いだが、今度はクリティカルな面が強調されてくるのではないだろうか、とも思える。
 サゼストのとおり、このまま#275で様子をみることとして、テストを終了した。
 
 #275にして数日ライディングを試みたが、概してフィーリングはいいようだ。本来ならここでヘッドをバラして確認なんてことになるのだろうが、それは出来ない。一般には排気バルブが白いとガスが薄すぎる、といわれているが、AMALのキャブと以前のガソリンではそういったことも起きるのかもしれない。
 ここ数年間、点火プラグの状態から僕の感じたこととすれば、キツネ色にはならない。強いて言うと「タン塩」色が近い。以前のキツネ色で判断していたときでは、わずかに濃い狸色まで含め、電極の奥の碍子まで黒く煤けていた。ところが、現代のオートバイはそういった状況にならない。ハーレーの80立法インチのオートバイでも僕のプラグの焼け方に近い。
 この点がキャブレターとどういった関連があるのか、どういった以前に比べてガソリンの成分変化がどうなのか不明だが、今後、興味のある課題として記憶に止めておきたい。
 以上がリザルトだが、ここ当分はこのままで調子を見てみたい。そういえば、そろそろタンクのお化粧直しをしないとならないな。

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