早速点検
 まずは一通り目を通す。小さいキズはある。後ろの角に土と接触したようなキズが目立つ程度で外観は比較的綺麗。(このキズは重大な欠陥に結びつくなど、この時は分からなかった。)
 次はキーボードだが、メキシコ生産のキーボードは打ちづらいの何のってない。この味の悪さはものスゴイものだ。キートップが綺麗、ということは、前のオーナーもこの使いづらさに閉口し、外付けのキーボードを使用していたのではないか、と感じられる。また、シーリングされていたトラックパッドも綺麗であった。液晶も5300csのものより少々暗いが、ドット落ちも見受けられず、ここもなかなかいい。筐体の裏側のタッグを見るとAssembled in USAの文字。ようやくアメリカで作られたApple製品ということを確認。そして、トルクスビスの穴の面取りが想像以上に取ってあり、この点はDuoと同じで、えらく敬服し、僕が行っているホールの面取り方法が間違っていなかったことが確認できた。
 メインバッテリー、バックアップの内蔵バッテリーはダメのようだ。
 一応、起動確認したが、OSが7.5.3ではハードディスクの容量が分からない。この点が痛し痒しだが、この際だからばらすことにした。順にバラしていくと、まずは、液晶下のカバーヒンジが2本折れている。センターのそれも接着剤で補強してある。あれれ、メモリー安定材の細い橋渡しの棒が曲がっている。ドーターボードを33MHzのものに交換したとき、カバーのビス(タッピングビス)を絞めすぎたのだろう。メモリーは16MBでオンボードの4MBと合計20MBだ。
 肝心のハードディスクは320MBだ。発売当初の520cでは最高規格品ということが分かった。しかし、OS7.5.5にしても、これでは少なすぎる。特にEthernetを使用するようになると、メモリーそのものも不足するかもしれないし... 。ま、ハードディスクだけでも交換しておこう。
 用意したのは1GBのSCSIカード付きのIDEハードディスクだ。これが厚さともクリアーできる。またハードディスクを天地さかさまに搭載する500シリーズでは、このカードがパーツ保護の役目も果たし、なかなかいい具合になる。今でも3.5インチ用と同じく、どこかでリリースしていると思うので、ハードディスクの有効利用からすると便利なことこの上ない。将来的にも持っておかれることをお勧めする。Duoの200シリーズまでも使用できるのではなかったろうか。
 再び組み付けする。今度はビスのトルク管理も確実に行った。こういったApple製品はトルクスビスの頭が小さいくせに大半は締めつけすぎが見受けられる。以前持っていた5300csなど、液晶の「ちび丸子ちゃん現象(上半分に縦縞が走る)」を修理したとき、とんでもないほど締めつけられていた。Duo2300cでもすごい力で締め上げられていた。150では筐体がブッ壊れるほどだった。それゆえ、ビスの締めつけトルクは「この程度」ってものが非常に難しい。チョイト経験を有する(爆)。コツは「軽く絞めていって、締まった、と思ったところから、わずかに力を加える程度」である。もちろん金属同士で不動を要求するところはこの程度以上になる。
 いよいよOSをはじめソフトウェアのインストールだが、これが少々やっかいだ。理由は簡単なことだが、今のインストール環境に慣れていると、とんでもない速度なのである。そして、もう一つやっかいなことがある。それは、長年使用していないキカイでは往々にして起きる現象だが、フロッピードライブのモーターをはじめ、摺動部分のオイルが固まっている。こいつを少しばかり何とかしなくてはならないし、フロッピードライブのヘッド部分がこれまた汚れている。520程度だと、オイルが硬くなって掃除、という程でもないから、湿式のクリーナーでクリーニングアップを1〜2回行う。これをやらずして、一気に「壊れた」と間違われないように願いたい。
 もう一点は、電気を利用する機械につきものの電解コンデンサーの活性化だ。ケミコン(電解コンデンサー)に電気が溜まっていないことによって起きる初期の不安定さを理解せずに、これまた「壊れた」と勘違いされないよう願いたい。今回の520cでは10分程度の時間がまず必要で、ま、通常の動く状態までには3〜5時間程度は必要であった。
 それではOSのインストールに移る。
 まずはフロッピーのディスクユーティリティーを挿入し、外付けのCD-ROMドライブをSCSI回路に装着し、OS 7.5.3のディスクを挿入する。僕のは純正のCD-ROMドライブだから認識するが、一応、その方法はOSのマニュアル、およびCD-ROMメーカーのマニュアルに従っていただきたい。
 7.1でやる場合はシステムイネーブラーが必要だから、できれば7.5.3のシステムで行って、7.5.5へアップデートしたものが40マシンには好適のように感じている。
 少々頼りないQuadra系の起動音と共にキュッキュッというキツイ作動音でフロッピーが回転し始めたらしめたものだ。ここで注意申し上げるが、このときディスクユーティリティーのフロッピーで作動させないように願いたい。7.5.3の場合、CD-ROMからの方がどうも、かかる時間が短いようだ。完了後、直ちに7.5.5へアップデート。
 久々にこういった古い機種、でも美しい機種に巡り会えた。またまた古マック?!と言われるのは分かっているけれど、どうしても愛着を感じてしまうのだよな。

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