eMate 300のバッテリーについて(3)

 すさまじい変化もなく、少しずつeMateを実験がてら使っています。何といってもバッテリーの消費時間がPowerBookのごときではないので、充電完了から次の充電までの期間、つまりこれが少なくとも3週間におよぶわけですから、どのように使用すると、どういった状況になる、という明確な結果が導き出せないのが現実です。
 しかしながら、数回センサーのバッテリーに接する位置を変更して、充電、使用を繰り返していると、おぼろげにも分かり始めたことがあります。
 以下に記すこととします。

1. バッテリーの中間部分に置いてアルミテープで包む
 これは充電時間が1時間で、使用時間もまぁまぁ納得ができます。もし、新品で快調なNi-MHの1200mAhのバッテリーがあればテストしてみたいところです。
2. センサーをフローティングする
 充電時間が3時間程度に及びますが、使用時間は1. の場合と変わりません。
3. 布のガムテープを敷いた場合
 充電時間が1時間10分程度に伸びる
 使用時間が1週間ほど延びる

 これらの結果によって、センサーの位置によっては、起きる結果に変化が出るのではないか、と考えられるわけです。
 eMate webさんのHPで僕のバッテリー製作方法が紹介されて以来、熱心にセンサー関係のレポートを送ってくださるMさんからセンサーに取り付けられているリード線を伸ばして装着する、という方法をサゼストしていただきました。
 併せて、僕自身が、オリジナルのセンサーを使用してリード線を伸ばしたところにセットすると、バッテリーの配置から丁度中間に位置する、ということに気付いたんです。
 話を元に戻して、前号の終わりに、いよいよ使用開始です、と記してから1か月が経過して、「充電してネ」のダイアログが出て、その時にセンサーのリード線を伸ばした状態にして、3. 布のガムテープを敷いた場合で充電を開始しました。ところが、いつまでたっても充電完了にならないのです。直列2本ずつの中間点では、冒頭の結果で終わりました。がリード線を伸ばして充電するとダメなんです。
 そこで次の策を講じました。

4. バッテリーの中間部にアルミテープを敷きその上にセンサーを置いた場合
 充電時間は1時間10分程度になる

 ここで少しAC(DC)アダプターのことについて私なりの考えを記載します。
発熱について
 通常ですと、我が家の室温は10℃以上はあります。厳冬下、たまに10℃以下になることはありますが、総じて10℃以上です。特にこの時期(4月)は気温の変化が激しいのですが、それでも20℃前後です。そういった中で充電を行うときのアダプターの発熱なんですが、これが時間経過と共に上昇します。当たり前といえば当たり前なのですが、どうも、Appleのこのタイプのアダプターは設計がラフのようです。つまり、MP-130用の容量の小さいものは、よほどのことがない限り温度上昇があまり感じられないのです。これがいいか悪いかは別として、急速充電に対してどのアダプターが最適か?ということになると、改造バッテリーに対しての確認が今後必要になってくるのではないでしょうか。
 MP-130にも東芝の1.2V Ni-MHのバッテリーを使用して、9Wのアダプターを使用していますが問題はありません。と、なるとeMateでも大丈夫なのかもしれません。
 現在のところ、小さいアダプターで一度充電を行っていますが、時間の長いだけで問題はありません。このことは、今後の課題としたい、と思います。

バッテリーとeMateの相性について
 Ni-MHのバッテリー容量の差は致し方ない、ということは報告されていますし、私を含め、実験された方々も同様の結果を得ています。この理論を通すと、1600mAhのバッテリーは不適合です。
 また、PowerBook 100の鉛バッテリーがニッカドに変更しても、アダプター端子から充電できない、ということはずいぶんと報告されています。
 すると、eMate 300で私が行っている方法では何もかもが不一致になっている集合体です。その中で部分部分に集約すれば次のようになります。
ア)バッテリーを1200mAhの純正に近い東芝製の新品にする
 これはアダプターも完全に一致するようですから、まず90%はリプレースできるようです。
イ)1600mAhのバッテリーを専用充電器で充電して使用する
 この方法は別の意味で100%成功でしょう。ただし、バッテリーケースを作ったとしても、一般的ではありません。
ウ)温度センサーを変更する
 Mさんからの報告もありましたが、この方法はかなりの成功率を出します。
 しかし、センサー選び、リード線との接続技術など、私のバッテリーケースの改造だけでも大変と感じられる方が行える方法ではありませんので、一般的ではないようです。

 4.の方法で充電して使用しているのですが、なかなかいいように感じます。どうやら、初期動作に戻ってしまったような感じがしてなりません。どんなに頑張っても3日目にはインジケーターが減退します。「フム〜、アルミのテープはどうやらセンサーのポジションにかかわらず、感熱状態を一定にするようだ」、と確信を持ちました。
 もちろん、バッテリーの容量自体が違うのですし、センサーを変更するか、eMate内部のチップに焼き付けられた内容を変更する以外にないはずですから、断念せざるを得ません。
 また、バッテリーそのもののも、今回の実験からインジケーターが初期動作と同じ表示をしますので、今のところ劣化は考えられない、と感じています。

 したがって、現状でのベターなリプレースバッテリーの状況はどういった配置か、ということになれば、写真の状態になるのではないでしょうか。
 
 ここまでやってみて、一定の満足感は得られましたが、MP-130の時とは違い、eMateに対しては完全なリプレース状態のバッテリーパックではない、という結論に達します。
 本来ならば、そっくりそのままリプレースできれば、エポックメーキングです。しかし、eMate固有のバッテリーパックの4.8Vで全てをまかなっているということが、いい面でも悪い面でも常につきまとう、ということにあります。
 バッテリーケースの改造自体でも、僕がHPに発表することをためらった経緯がありますから、実際に改造する場合、センサーを交換したり、入手しづらい1200mAhのバッテリーを血眼で捜し回るなど、という行為はしたくないし、たとえ結果が良くても「... 、の方がいい」とは言いづらいのです。
 どれだけのeMateが日本に来ているか不明ですが、中にはオブジェになったものも存在するでしょうし、僕のようにして使っていらっしゃる方もいるでしょう。あるいは徹底改造をされている方も多いかも分かりません。が、総じてその数は少数です。
 パーツ自体の供給も途絶えているのが現状でしょう。しかし、いつまでも愛らしいeMateをごく普通に使い続けられる、という状態が本来のねらいですから、僕の改造もその方針に沿ったもの、として報告を行ってきました。
 さ、現状での使用状況で、「ン、これは... 」ということなど、今後報告いたします。ご意見など、お寄せください。

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