eMate300バッテリー(この辺かな)
プロローグ
 時は西暦2003年1月も暮れ、私の愛らしい電子秘書のeMate 300のバッテリーが充電をせよ、と催促をしてきた。時を同じくして第一秘書のMP-130も同様のダイアログを表示した。
 時に1月28日、まずはeMateから0.7Aの充電器(アダプター)で5時間充電する。良好である(と、そのときは思われた)。翌30日、MP-130を充電を行った。これも良好である(はずだった)。
 ところが31日にMP-130は職場へ常に同行しているもので、電源を入れたとたんに声が出なかった。バッテリー容量インジケーターが半分の位置を示しているではないか。そんなバカな。家に帰ってeMateのディスプレーを開けて(これで電源が入る)インジケーターが残りわずかを示しているのを見て唖然としたのだ。
 双方ともリセットは止めた。インジケーターの不良かもしれないと思い、アダプターを繋いで30秒ほど放置したら、インジケーターは満タンを示す。一度電源を落として、再起動すると、やはり元通りだった。何かある。それが何であるか... 。

疑問難問?
 何か間違っていたことをやっただろうか。現実としてMP-130はほとんどを職場と家で使用している。そして、常にZingのクッションケースに入れている。eMateは時々我が家で使っている。とりあえずはメモ的なものに使用することが多いため、キーボードがあったほうが都合がいい。そしでDatesのレプリカを作っておく。特にDatesはMP-130とeMateの二つと手帳、それにPower BookのiCalと4段階だ。
 そういったことからして、とりたててeMateの使用状態が異常とはいえないものと判断できる。はからずも、実験のリサーチ段階で少しばかり公表を延ばしていたことだが、eMateはサンヨーの1700mAhのバッテリーに変更して2回目の充電後、実に35日間も持ったのである。もちろん、毎日の使用ではないが、驚くべき結果を得ていた。
 とにかく、何がどうなっているのか全く不明の状態であった。
 2月1日、ようやく寒波も通り過ぎ、NHKテレビ開局50周年の特別番組の日だった。昨日までの低温は去った。eMateを腕に抱え、ディスプレーを開いてびっくり。インジケーターが元に戻っている。アリャー、どうしてだ。
 ところがMP-130ではそうは行かなかった。考えられる原因は後ほどとして、一つの要因は見えてきた。そう、外気温も大きく影響しているのでがないだろうか。特にベア状態のバッテリーボックスで使用しているeMateのバッテリーはセンサー部分が外側に面している。このことから、センサー部分も影響しているのか... 。

検証1
 eMate、MP-130ともに充電をした時の外気温は実に2〜5度ぐらいだ。おかしいと思われるかもしれないが、我が家は暖房を入れていない。僕の布団は夏の仕様のままだ。今の職場のダメ空調の中から帰ってくると、体中がおかしいために常温を保っている。そのための行為、ということをご理解していただいておこう。
 充電時間は0.7Aの小さいアダプターで5時間。バッテリーの規定どおりだ。ランプのインジケーターはいつもどおり1時間20分でオレンジから緑に変わる。全くいつもと同じ。
 そして1日経過したところ、ディスプレー上のインジケーターが充電開始直前までになっていた。そしてその次の日、腕に抱え、ディスプレーを開いて、インジケーターが満タン近くになってくるのを確認した。「腕に抱え」ということは体温がセンサーの作動に関与する、ということだ。これって宇和のT君から聞いていたことなのに、すっかり忘れていた。もう一つ、ディスプレー上のインジケーターの動きから(メモリー効果による)バッテリー不良の要因にもなっていたことが確認できた。
 それに加えてディスプレー上のインジケーターとダイアログがセンサーに左右される。このことが一層メモリー効果を生じさせたのではないだろうか。
 もう一つ、同じようにバッテリーの充電特性があった。充電時間の設定に温度が関係しているのだ。つまり、大半のNi-MHの充電状況の外気温度は「20℃」の本で、ということが決められているようだ。

傾向と対策
 2003年 2月 3日 節分。前の日の日曜日もいい天気だったが、風邪が強く気温そのものはあまり上がらなかった。本日も同様、わずかに陽は長くなったが、夕暮れは寒さが一気にやってくる。
 午後6時頃、eMateを使うため、ディスプレーを開けると早速「バッテリーの残量が少ないので充電を開始してください」のダイアログ。お〜っと、これで充電を開始してはならないことは以前に報告したとおり。再度バッテリーケース部分を僕の体のに当てると見事にインジケーターがスッと上がる。
 対策をいろいろ考える。一つにはセンサー部分と足の部分を外気から遮断するため、熱収縮チューブの厚手(住友製)で覆ってやるのが一番いい。しかし、ここまでやるのなら、端子付きのGP製バッテリーで元通りに製作してやるのが一番いい方法だろうと思う。
 何とかいいものはないか?、あるいはよりよい簡素な対策が... 、と思ったときヒラメキがあった。台所で妻がラップをキュル〜っと切っている。そうだそうだ、サランラップの宣伝で電子レンジの時にやっているあの方法を応用することにした。簡単に2〜3回バッテリーケースをサランラップで包んでやるだけで終了だ。
 ただし、今回は少しばかりは充電が完了している状態で外気温が低い状況だから、バッテリーをラッピングする前に、しばらくの間ポケットの中などで暖めておく必要がある。そうしないとインジケーターがおかしい動きをすることがある。
 が、これも一時しのぎにしかならない。
 この時点で、センサーは温度に対しても非常に敏感であり、インジケーターの状況は気温に対しても反応することが分かった。

またしても

 それにしても何かおかしい。このおかしさは笑いが出るおかしさではないし、不安を感じさせるおかしさでもない。かといって、不思議さでもない。
 eMateを無使用状態でなら、そこそこの時間経過は無視できる範囲で、かなりの時間バッテリーは容量保持できることは理解できた。それに、ほぼ満度に容量が残っている場合で、そこから気づいた時に使用をすると、少しずつ残量が減るのは理解できた。
 ところが、同じ時間充電をして、しばらく使わなければ、急激に残量が減る、といった現象が出たのだ。わずか5日間で「充電しろ」のダイアログが出る始末。それから充電時間を変えたり、アダプターを換えたり、数回行ってみた。そのためもあって、先に結果が出たMP-130のことを記載せざるを得なかった。実はアダプターの違いでも紹介したとおり、eMateとMP-130ほとんど同時に実験を開始していたところなのである。
 まず、小さいアダプターで12時間充電をした。この結果が急激に減って5日間で「充電しろ」のダイアログを出させる始末になった。この時は次は9Wのアダプターで12時間充電を行った。その結果は、まま動かしながら、2週間程度持つことが判明した。
 わずかなことだが、センサーの(感知)精度が関係はするだろうが、アダプターの電流量によって向き不向きが存在するのではないか、と考えられたのだった。
 しかし、納得がいかない何かがあるように感じられてならない。

再確認
 改めて記載することとして、充電前に「充電しろ」のダイアログを2回出させる必要がある。これは相当に重要だ。これをやらないと、最後の一踏ん張り手前で充電開始になるから、この分が確実にメモリーとしてバッテリー内に残るという、いわゆるメモリー効果となって、バッテリーをダメにしてしまう。これは東芝製の1600mAhの時に十分に分かった。
 そのことを防ぐために、どうしてもこれは行わなければならない。幸いにしてeMateでは同じアプレットを使用していても必ず2回目のダイアログが出る。MP-130よりは確実に出る。その時にシャットダウンをして充電すればいい。

再再確認(2003年 4月 2日)

 仕事の忙しさに、充電のことをすっかり忘れてしまっていた。当然のようにeMateはウンともスンとも言わず、画面には電源が入っていないまま。
 一瞬閃いたのは、MP-130を充電するときバッテリーこそサンヨー製の2100mAhに変更はしているが、小さい方のアダプターで14時間充電して非常にバッテリーの具合がいいのを思い出した。
 それなら、eMateも今回は再び小さいアダプターで14時間充電することとした。ところが、ふとしたきっかけで思いついたことを実行したところ、おもしろいことに気づいた。
 それは、eMateの場合、バッテリー容量が無くなると完全に設定がデフォルトになってしまうことである。それをいちいち設定し換えるのはつらい。それじゃ、充電初期に、先に設定しておけばいいのではないか、と考え、実行に移したのだ。
 実におもしろい結果が出てきた。eMateの場合、ACアダプターをつなぐと、数秒の後、起動音が鳴る。これは、ディスプレーを開けていなくても鳴る。そこで、スタイラスペンでタップの確認、内部メモリーに書き込み(作動可とさせる)などが終わって、日時の設定を行い、ディスプレーを閉じてシャットダウンするのだが、今回はそこから一歩進んで、これらが終了した時点で、背面のリセットボタンを押しながら、キーボードのスイッチを押して、パワー関係のリセットを行ってみた。
 一瞬ディスプレー上のバッテリーインジケーターが不思議な動きをした後、タップの確認を終えディスプレーを閉じて充電をしてみた。(後で記すが、リセットボタンだけでもOKのようだ。)
 それから延々14時間充電し続けた、

結 果
 すばらしい。再び元のeMateになってきた。そのままの状態なら、ほぼ35日はクリアーできる。充電完了後、10日間使用せずに放置した。インジケーターは一切降下しない。この時点でおよを20分間使用すると、インジケーターはわずかに下がる。この繰り返しを行うと、インジケーターの中間位置からの急速な減衰傾向を示す。このことから、日々の予定などをDatesに記載するなどの使用だけなら、20日程度はOKである。
 2003年 4月 8日、前回報告したMP-130の充電を開始した。原因はバッテリーの容量がまったく無くなって、ディスプレー上に一切表示しなくなったからだ。バックアップバッテリーが作動する状況から、メモリーは前日の7日を記していたから、この時点で、充電日が定かでないが、およそ3週間は使用できていたことになる。
 話を元に戻して、eMateでもおなじことが起こっていた。つまり、全くの容量抜けまで追い込むとフル充電可能、ということが理解できた。
 時を同じくして、Power Book 540cのインテリジェントバッテリーがお釈迦になった。DuoのType IIIのバッテリーは「バッテリー調整」というユーティリティーがあって、いまだにバッテリーが健在である。もちろん、Power Book 540cのインテリジェントバッテリーにもこの対策のためのシェアウェアは存在するが、結局のところ、一月に1度は強制スリープに入らせるまでバッテリーで使えば昔の100以外のPower Bookのバッテリーは結構長持ちする、ということなのである。
 おそらく、Newtonも同様に月に一度は「充電しろ」のダイアログを2回出させるまで、バッテリーを使い切ることではないだろうか。万一、バッテリーを空っぽにした場合は、設定のデフォルトからの脱皮は充電開始直後に行い、その上に、リセットボタンを押して初期画面にしてシャットダウンの後、充電をする。
 いずれにしても、これら場合は小さいアダプターで14時間以上の充電が必要だ。特にeMateではリリー・ランゲージキットを使っているが、メモリー上の書き込みは消えない。ワークスにおいても同様に消えない。MP-130はバックアップバッテリーを消耗させないことと、メインバッテリーを消耗した状態でボタン電池を交換すると、メモリー状の記憶は消える、とされているが、実際怖いので、これは僕も確認していない。
 
最 終
 MP-130にサンヨー製の2100mAhのバッテリーを装備し、小さいアダプターで14時間ダイレクトに充電した結果は先にお知らせしたとおりである。MP-130を通常の使用をしながら、充電を2回行ったが、およそ3週間は十分にバッテリーが持つことが判明した。
 で、今回のレポート前までeMateに9Wバッテリーで14時間充電を2度程行ったが、いずれも20日程度程度は使用できることが判明した上で、バッテリー容量を無くして充電するとどうなんだ?を実際に確認してみた報告である。
 1700mAhのバッテリーではおそらくこれが限度であろう。これまでのことから、eMateに充電するときは通常は9Wアダプターで(ランプの)インジケーターがグリーンになる1時間20分程度の充電で使用できるので、これを使用して差し支えない。
 そして重要なこととして、月に一度は「充電しろ」のダイアログを2回出させて、小さい方のアダプターで14時間程度充電を行うこと。このことが分かった。
 今後、これ以上のことをやるのなら、サンヨー製の2100mAhのNi-MHバッテリーを使用して、再び実験をしてはどうか、ということに尽きる。が、今の僕の予想からすれば、同じサンヨー製の1700mAhの今のバッテリーとそんなには変わりはしない、と感じられる。
 万一2100の方がよかった、とするなら、僕としてはサンヨー製の2100mAhのバッテリーがeMateにもジャストフィット、と決定できるのではないか。それだけのことだ。
 以上、相当に長い期間のテストではあったが、一応、この辺でしばらく様子を見てみたいとして、この辺で終了とする。また、何か出てきたら報告をしたい。

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